愛知県【高校入試】2023年に変わる

愛知県の公立高校入試は、2023年の春に受験される方から変わることをご存知でしょうか。

今回は、これから高校入試を受けられる方に向けて、愛知県 公立高校入試の変更点とそのポイントをお伝えします。

 

この記事で分かること
2023年(令和5年)の春から制度が変わる。
学力検査が1回になる。
学力検査はマークシート方式に変わる。
公立2校選択は維持される。
合格発表が早まる
推薦入試の日程が早まる
「特色選抜」が新設される。

 

新入試制度の対象者

新制度の具体的な内容については、以前から議論されており、2021年11月に正式に発表されました。

2021年12月現在で、中学2年生以下の方が対象になります。

2023年受験中学3年生新制度で受験
2024年受験中学2年生新制度で受験
2025年受験中学1年生新制度で受験
2026年受験小学6年生新制度で受験
(以下同じ)
2022年4月現在での対象学年

   

高校入試制度の変更点

教室

当ページは、愛知県教育委員会 高等学校教育課が作成したパンフレット「令和5(2023)年度入試から公立高校の入試制度(全日制課程)が変わります!」を参考にしています。

そちらに記されている主な変更点は、次の6つです。

  • 学力検査(試験)が1回になる
  • 学力検査はマークシート方式に変わる
  • 公立2校選択は維持される
  • 推薦入試は一般入試と別日になる
  • 合格発表日が早まる
  • 新たに「特色選抜」が設けられる

 

試験が1回になる

2021年度までは、2週間にわたり、学力検査を2回受ける制度です。

1回目がダメでも、2回目の試験で救われるという生徒さんもいます。

 

ただ、この旧制度により、受験者は長期間のストレスを感じざるを得ない状況であり、採点者側も業務過多になっている感は否めません。

そのため、新制度で学力検査が1回になることで、受験者も採点者も負担が軽くなる可能性が高いです。

チャンスが1回になるというプレッシャーは残りますが、これまでエネルギーを2回の入試に分けていた分、1回に全力を注ぐことが可能になります

 

学力検査はマークシート方式に変わる

2021年度の愛知県 高校入試は、一部に選択形式の問題はあるものの、全体としては記述形式です。

これが、2022年度からマーク式に変わります

多くの中学校では、定期テストは記述形式です。

そのため、入試当日までに マーク方式に慣れておく必要があると考えます。

 

1回で2校まで受けられる

学力検査が1回になることで、1校しか受けられないという心配がありましたが、公立2校選択は継続されます

 

現行では、群制度とグループ制度が導入されており、非常に複雑な入試制度になっています。

他の都道府県から来られた方にとっては、どの高校を選べばよいのか分かりにくい制度です。

 

これについては、次の記事にまとめさせていただいております。

ぜひご覧ください。

 

推薦入試が早く行われる

2021年度の入試制度では、推薦入試も一般入試も同日に行われています。

「推薦」と言えば、一般入試よりも早くに終わり、合格が早くから分かっているようなイメージがあるかもしれません。

しかし、推薦入試を受ける生徒も、学力検査や面接を受けなければならず、それが一般入試と同じ日になっているのです。

願書の提出も、一般入試とあまり変わりません。

これが、中学校や高校の先生方の負担を増大させているため、推薦選抜は、2月に実施されることが決定されました。

令和4年(2023年)の2月時点で、予定されている新制度入試は、以下のスケジュールで実施されるとのことです。

【推薦選抜スケジュール】

2月1・2日:願書提出

  2月6日:面接試験

  2月8日:合否発表

パンフレット「令和5(2023)年度入試から公立高校の入試制度(全日制課程)が変わります!」より

 

合格発表日が早まる

制度変更前 最後となる愛知県公立高校入試は、令和4年(2022年)3月18日に合格発表の予定です。

これまでも同じような日程で入試が行われていたことで、中学3年生お子さま・保護者様の負担が大きくなっていたり、中学校の卒業式を行うタイミングが難しくなったりしていました。

さらに、その後に進学準備として、必要物品の購入や書類の記載などがあり、合格発表以降が非常に慌ただしいというのも問題になっていました。

 

これが 2021年12月現在、令和5年(2023年)に実施される高校入試の合否発表について、2023年3月9日(木)を予定していると発表されています。

合格発表の日程が早まるため、これらの問題が緩和するように感じます。

 

「特色選抜」を新設する

「特色選抜」は、これまでは行われていなかった新制度です。

「特色選抜」の概要については、以下の通りです。

【概要】
将来の進路目標やその高校・学科で学ぼうとする意欲、学科やコースに関連する分野での能力・実績などを重視します。

一部の高校・学科で実施します。

パンフレット「令和5(2023)年度入試から公立高校の入試制度(全日制課程)が変わります!」より

【定員】
各高校・学科の募集人員の20%程度までを上限に、各高校が人数の枠を設けます。

推薦選抜の定員枠とは別に定めます。
音楽科と美術科では、特色選抜を実施しません。

パンフレット「令和5(2023)年度入試から公立高校の入試制度(全日制課程)が変わります!」より

【内容】
面接に加え、作文・基礎学力検査・プレゼンテーション、実技検査のうち、どれを実施するかは高校ごとに異なります。

パンフレット「令和5(2023)年度入試から公立高校の入試制度(全日制課程)が変わります!」より

 

中学校長の推薦を必要としない選抜方式で、各高校・学科の特色を生かしたものにすると発表されています。

「特色選抜」を行う学校や具体的な内容については、令和4年4月に発表される予定です。

ここまでの内容は、以下のページを参考に作成しています。

愛知県公立高等学校入学者選抜制度の改善に関する検討会議(第3回)の結果についてhttps://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/351592.pdf

パンフレット「令和5(2023)年度入試から公立高校の入試制度(全日制課程)が変わります!」より https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/398347.pdf

  

入試制度が変わる理由

公立高校入試の制度が変わるのは、大きく5つの理由があるからです。

  1. 進路に関するニーズの多様化
  2. 私立高校の授業料無償化による公立高校離れ
  3. 2回の受検は負担が大きい
  4. 合格決定・発表の時期が遅い
  5. 中学校や高校の教員の負担が集中している

 

これについては、愛知県議会でも議題に挙げられれいます。

 全日制公立高等学校の入試については、中学生の進路に関するニーズの多様化や、私立高等学校の授業料の無償化など、県立高等学校を取り巻く環境が大きく変化してきており、こうした変化への対応が必要となってまいりました。
 現行の入学者選抜制度には、二回の受験により受験生の負担が大きいこと、合格発表が三月中旬以降であり、合格決定時期が遅いこと、中学校における出願に関する業務や高等学校における選抜業務が一時期に集中し、日程が過密であることなどの課題があると認識しております。そのため、教育委員会において一月三十日に公立高等学校入学者選抜方法協議会議を開催し、入学者選抜制度について協議していただきました。
 この会議において、現行制度の利点及び課題を幅広い視点から検討し、必要な改善を図ることが望ましいとのまとめが得られましたので、来年度の早い時期に教育委員会において新たな検討会議を立ち上げて、検討を進めてまいることとしております。
 現行の入学者選抜制度が直面する課題については速やかに対応し、改善していくことが必要であると考えておりますが、一方で、受験者や保護者に対しては一定の周知期間が必要となります。そうしたことから、改善案の概要につきましては今年十二月を目途に作成し、公表し、現在の小学校六年生が受験する二〇二三年春の入学者選抜から新しい制度で実施できるよう、準備を進めてまいりたいと思います。

愛知県議会 令和2年2月定例会(第2号)本文より引用
https://www.pref.aichi.dbsr.jp/index.php/9023257?Template=doc-all-frame&VoiceType=all&DocumentID=2302

 

2020年には、シンポジウムが開かれ、愛知県の高校入試制度について、話し合う機会がありました。

元教諭としても、現在の入試制度は、以前から改善すべきだと感じていました。

ようやく古い制度から変わろうとしていることを嬉しく思います。

 

受験される方にとっても、採点される方にとっても、win-winになることを願っています。

 

新制度で高校入試を受けられる方も、やるべきことは、現在の中学3年生の方々と同じです。

学校で学んでいる内容を一つずつ定着させ、あとは試験問題の形式に慣れましょう。

もし、志望校や目指すキャリアが決まっているのなら、早くから取り組んでおくことを勧めます。

地道な努力が大きな差になるからです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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